梅雨のあけた空はからりと晴れていた。時折吹く風が日除けの為に閉めたカーテンを膨らまし、放課後の校庭の喧騒を巻き上げて三階の美術室まで運んで来る。それでもなお美術室の中は水の底の様にしんとしている。 隅の薄暗がりに黒く塗られた絵がある。先ほど…
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